画面越しに伝わってしまう「義務感」というノイズ
「今日も投稿しなきゃ……」
「ネタがないけど、とりあえず何か上げないと……」
パソコンやスマホの画面を前に、そんなため息をついていませんか?
もし、少しでも心が重たいと感じているなら、その投稿ボタンを押す前に一度手を止めてみてください。
なぜなら、「義務感」で書いた文章は、驚くほど読み手に伝わってしまうからです。
SNSは、テキストや写真だけの世界に見えますが、実はその背後にある「感情」や「熱量」までもが、Wi-Fiに乗って相手に届いています。
嫌々書いた文章、形式だけの挨拶、ノルマをこなすための報告。
これらはまるで、冷めた料理のようなものです。
形は整っていても、味気なく、食べた人の心を動かすことはありません。
読み手は敏感です。
「あ、この人、楽しんでないな」
「仕事だから無理やり書いているんだな」
そう感じ取った瞬間、スクロールする指は加速し、あなたの投稿は意識の外へと追いやられてしまいます。
真面目な経営者ほど、「継続すること」自体が目的になり、いつの間にか「書くこと」が苦痛な「作業」になってしまう。
ですが、本来SNSはあなたの会社の魅力を伝えるためのもの。その発信自体がマイナスの感情を帯びてしまっては、本末転倒なのです。
人が集まるのは「正しい場所」ではなく「楽しそうな場所」
では、どうすれば「伝わる」投稿になるのでしょうか。
答えはとてもシンプルです。自分自身にこう問いかけてみてください。
「これ、今の自分が書いていて楽しいかな?」
この問いこそが、SNS運用の羅針盤です。
誤解しないでいただきたいのは、「楽しむ」というのは、ふざけたり、おちゃらけたりすることではありません。
自分の仕事に対する誇り、社員との何気ないやり取りで笑ったこと、新しい技術に触れたときのワクワク感。
そういった、心がプラスに動いた瞬間を、そのまま言葉に乗せるということです。
人間は本能的に、「楽しそうな場所」や「エネルギーの高い場所」に引き寄せられます。
例えば、お祭りの屋台を想像してみてください。
ムスッとして黙々と焼きそばを作っている店主よりも、
「へい、らっしゃい! 今日の焼きそばは最高だよ!」と
楽しそうに鉄板を回している店主の方に、
人は集まりますよね。味も不思議と美味しく感じるものです。
SNSも同じです。
「この社長、本当に仕事が好きなんだな」
「この会社の人たち、いつも楽しそうだな」
そんな「楽しさの引力」が働いたとき、初めて人は「フォロワー」から「ファン」へと変わります。
スペックや価格の正しさだけでは、人は動きません。
「この人と一緒にいたら楽しそう」
「この会社に関わるといいことがありそう」。
そんな未来への期待感が、ビジネスを動かすのです。
SNSは、単なる広報活動という「作業」ではありません。
あなたの会社が持つ温度、空気感、そしてあなたの生き様そのものを映し出す「表現」の場なのです。
だからこそ、表現者であるあなた自身が誰よりも楽しんでいなければ、誰も観客席には座ってくれません。
苦しくなったら休んでいい。それが「表現者」としてのプロ意識
それでも、長く続けていれば、どうしても楽しめない日はやってきます。
仕事でトラブルがあったり、体調が優れなかったり、どうしても気分が乗らない日。
そんな時はどうすればいいか。
私の答えは明確です。
「楽しめなくなったら、一度休んでもいい」
無理をして、義務感にまみれた投稿をするくらいなら、何もしない方がマシです。
「毎日投稿しないと忘れられる」という恐怖心があるかもしれません。
でも、死んだような言葉を毎日撒き散らすことの方が、ブランドにとってはよほど危険です。
休むことは、逃げではありません。
次にまた、最高の笑顔で「楽しい!」を発信するための充電期間です。
「最近投稿がないけど、忙しいのかな?」と心配されるくらいで丁度いいのです。
そして久しぶりに投稿したときに、「やっぱりこの人の投稿は元気が出るな」と思ってもらえれば、それで信頼は回復します。
SNSはマラソンとお伝えしましたが、給水所にも寄らずに走り続けるランナーはいません。
苦しい顔をして走るより、一度立ち止まって深呼吸し、景色を楽しむ余裕を取り戻してから、また走り出せばいい。
「今の自分、楽しんでる?」
今日、スマホを手に取ったら、まずその言葉を自分に投げかけてみてください。
もし「YES」なら、その投稿はきっと、誰かの心を明るく照らすはずです。
さあ、今日はどんな「楽しい」をシェアしましょうか。
義務感の鎧を脱ぎ捨てて、あなたらしい言葉で語りかけてみてください。



