なぜフォロワー数を追いかけると「つまらない発信」になるのか
SNSを始めたばかりの頃、誰もが一度は陥る罠があります。
それは「フォロワー数」という数字の魔力です。
「隣の会社は1,000人超えたのに、うちはまだ100人か……」
「どうすればもっと増えるんだろう?」
そう思い始めた瞬間、発信の軸は少しずつ、でも確実にズレ始めます。
なぜなら、数を追おうとすると、無意識のうちに「誰にでも嫌われない、最大公約数の言葉」を選んでしまうからです。
いわゆる「映え」を意識した投稿や、どこかで聞いたことのあるような格言。当たり障りのない挨拶。
それらは一見、フォロワーを増やす近道に見えるかもしれません。しかし、広げようとすればするほど、言葉の濃度は薄まっていく。
それはまるで、強度が求められるコンクリートに大量の水を混ぜて、量だけを増やそうとするようなものです。
見た目は増えたように見えても、肝心の「芯」がスカスカになってしまう。
誰にでも届く言葉は、結局のところ、誰の心にも刺さりません。
「フォロワーを集めよう」という執着が、皮肉にも、あなたから「選ばれる理由」を奪っているのです。
100人の深い信頼こそが、ビジネスを支える「強固な基礎」になる
ここで一度、冷静に考えてみましょう。
SNSの目的は、有名人になることでしょうか? インフルエンサーとしてチヤホヤされることでしょうか?
おそらく、多くの中小企業の社長や担当者にとっては違うはずです。
本当の目的は、自社のファンを作り、信頼を築き、最終的に「あなたにお願いしたい」と言ってもらえる関係性を作ることではないでしょうか。
そう考えたとき、大切なのは「何人に届くか」ではなく「誰に届くか」です。
想像してみてください。
あなたの会社のことを深く理解し、あなたの価値観に共感し、困ったときには真っ先に顔を思い出してくれる。そんな熱烈なファンが100人いたらどうでしょう。
ビジネスとしては、それで十分成立するはずです。
1万人の「なんとなくフォローしている人」よりも、100人の「心から信頼してくれる人」。
この100人の存在こそが、どんな不況や環境の変化にも揺るがない、ビジネスの「強固な基礎」になります。
私たちは建設のプロとして知っています。
どんなに立派な建物を建てようとも、基礎が脆ければすべては砂上の楼閣です。
SNSにおける基礎とは、フォロワー数という見栄えではなく、一対一の「関係性の深さ」にほかなりません。
「100人にしか届かない」と嘆く必要はありません。
むしろ、「100人もの人が、自分の言葉を待ってくれている」と捉えるべきです。
その100人に対して、本音で、誠実に、泥臭いまでのこだわりを伝える。
その熱量こそが、次の101人目を連れてくるのです。
数字はあとからついてくる。まずは「目の前のひとり」に届けよう
「じゃあ、数字はどうでもいいのか?」と聞かれれば、答えは「いいえ」です。
ただし、順番が違います。
数字は「目的」ではなく、誠実な発信を積み重ねた結果として現れる「報酬」です。
関係性を大切にし、目の前のひとりに向けて心を込めて発信し続けた人だけが、結果として大きな数字を手にします。
SNSは魔法の杖ではありません。
画面の向こう側にいるのは、スマホを持ったひとりの人間です。
その人が何を悩み、何を喜び、どんな情報を必要としているのか。
そこに想像力を働かせ、自分の言葉で語りかけること。
・完璧にまとめようとしなくていい
・かっこいい数字を並べなくていい
・ただ、嘘のない自分の言葉を置く
「あ、この人、自分のことを分かってくれている」
「この会社の考え方、好きだな」
そう思ってもらえる瞬間を、いくつ作れるか。
SNSの運用とは、フォロワーを「集める」作業ではなく、信頼を「積み上げる」作業です。
焦らなくていいんです。
まずは、あなたの会社のファンになってくれそうな「あの人」の顔を思い浮かべてみてください。
その人に手紙を書くような気持ちで、今日の投稿を作ってみる。
取り繕った1万字よりも、心のこもった一行。
その積み重ねが、いつか誰にも真似できない大きな資産になります。
さあ、今日もスマホの向こう側にいる「大切なひとり」のために、発信を始めましょう。
数字を追うのをやめたとき、あなたのSNSは、本当の意味で動き出します。



